今回から、2ヶ月分まとめて追いかけます
SBI証券が毎月発行する
「インデックス+αランキング」
インデックスファンドに勝ったアクティブファンドを紹介する記事です
稼げるアクティブファンドを紹介するのが当記事の本質ですが
アクティブ投資の難しさと
インデックスの長所を見ることのできる記事にもなっています
当記事の順位は、対インデックスとの勝率です
毎月のリターンとインデックスを比べて
アクティブの方がリターンが大きいと勝ちとなります
「1年間」なら1〜12月の計12回
12回勝利なら勝率100%です
今回はこの「インデックス+αランキング」を読んで
アクティブファンドとの向き合い方
やっぱりインデックスファンドがオススメな理由をお伝えします
比較に使われている主なインデックスは
- NASDAQ総合指数
- S&P500
- MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)
- TOPIX
NASDAQ総合指数
【リターン】
年間の利益率です
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
47% | 19% | 28% | 21% |
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
45% | 22% | 28% | 22% |
【リスク】
リスクは「振れ幅」です
数値が高いほど、儲けも損も大きくなります
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
17.8% | 22.1% | 21.3% | 18.2% |
【シャープレシオ】
効率の良い投資かを測る指標です
リスクあたりのリターンで計算されます
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
1.6 | 0.3 | 0.8 | 0.8 |
NASDAQはアメリカの市場
ハイテク系やIT系など新興企業が多く所属する市場です
NASDAQ上場企業の株価平均がNASDAQ総合指数
アメリカの株式インデックスの中では
比較的リスクとリターンが高いです
S&P500
【リターン】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
44% | 23% | 25% | 18% |
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
39% | 24% | 25% | 18% |
【リスク】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
14.7% | 17.7% | 18% | 15.2% |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
1.5 | 0.5 | 0.8 | 0.8 |
アメリカの大企業500社の平均をとったインデックス
Google、Apple、Amazon、P&Gなど、世界的大企業がぎっしり入ったインデックスとなっています
NASDAQ総合指数より、リスク・リターンともに抑えめですが
非常に優秀なインデックスです
MSCI ACWI
【リターン】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
40% | 21% | 21% | 14% |
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
34% | 20% | 21% | 14% |
【リスク】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
14.5% | 16.7% | 17.4% | 14.8% |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
1.5 | 0.4 | 0.6 | 0.6 |
全世界型のインデックスで、多数の企業と国家への分散が特徴です
投資対象国約70カ国、採用銘柄は約2900社
リターンは控えめではありますが、他に比べリスクが少ないです
2024年1月からの全体感
インデックス
指数は全体的に、5月にあがって6月に下がってきています
1年という短期でも、インデックスの数値は好調
NASDAQ総合指数は45%オーバー
米国株式も好調ですが
全世界株式の指数 MSCI ACWIも34%と好調です
中期の10年で見ると、いずれの指数も大きな変化はありません
アクティブ
5年、10年のランキングは変動無し
1年、3年は2位以下が一部変動しています
リターンは、短期の1年、3年は上がっていますが
中期の5年、10年はほとんど変わっていません
1年リターン
インデックス
NASDAQ総合指数の推移
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
34% | 26% | 30% | 20% | 33% | 36% | 48% | 56% | 54% | 49% | 45% | 47% |
1位 野村 世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)
勝率 100%
リターン 90%/103%
1年、3年、5年リターンまで
野村 世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資) が1位独占です
2024年に入ってからは1〜5年の1位独占継続中です
半導体の需要、資金注入は現在も継続中です
NVIDIAの株価時価総額が世界1位になったりと、注目は続きます
【野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)】
世界各国の半導体関連企業の株式を投資対象にするアクティブファンド
2009年8月に基準価額1万円で販売開始
2024年4月に一時、14万円台へ下落するも
5月からは再度上昇基調
7/22現在 16万3103円です
組入銘柄の上位10%には、多くの人が知る巨大企業がずらり
投資比率は上位5社だけで60%
アメリカだけで77%を占めています
2020年からの伸びがとんでもないですね
【年利回り】
1年 | 3年 | 5年 |
103.08% | 46.86% | 49.27% |
【リスク(標準偏差)】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
25.33 | 32.89 | 28.12 | 25.82 |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
4.07 | 1.43 | 1.75 | 1.18 |
【手数料】
買付手数料 | 0 |
信託財産留保額 | 0.3% |
解約手数料 | 0 |
信託報酬 | 1.65% |
NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)
勝率 100%
リターン 59%/68%
【NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)】
株式インデックス『NASDAQ100』を指標にした先物取引で
資産額の3倍購入するファンド
要はNASDAQ100の3倍の値動きを目指す投資信託です
儲かるも損するも3倍!
リスクもリターンも大きいのが、こういった投資信託の特徴です
リスクは40を超えており、かなりの金額変動しているファンドなことがわかります
発売開始は割と最近
2021年3月から基準価額1万円で発売開始
7/22現在 2万4363円です
【年利回り】
1年 | 3年 |
68.21% | 23.23% |
【リスク(標準偏差)】
1年 | 3年 |
42.85 | 45.11 |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 |
1.59 | 0.52 |
【手数料】
買付手数料 | 0 |
信託財産留保額 | 0 |
解約手数料 | 0 |
信託報酬 | 1.4075% |
3年リターン
インデックス
S&P500の推移
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
25% | 23% | 24% | 25% | 23% | 22% | 24% | 25% | 24% | 22% | 23% | 24% |
1位 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)
勝率 100%
リターン 44%/47%
10月〜 1位を維持
リターンは 34%→35%→39%→41%→39%→44%→47%
勝率100%維持
リターンは伸び続けています
半導体関係の株式が影響
大型の企業の比率が高く、NVIDIAだけで25%以上を占めます
時価総額が大きい企業の株価変動が影響大きいです
1年リターンの項目に詳細記載
米国製造業株式ファンド
勝率 78%
リターン 20%
6月に一気にランク外へ
【米国製造業株式ファンド】
アメリカの製造業に関連した株式が投資対象
2012年5月に基準価額1万円で販売開始
7/22現在 9万2065円
暴落の影響は少なめで、2024年4月まで右肩上がり
以降は横ばいな値動きです
【年利回り】
1年 | 3年 | 5年 |
19.47% | 19.72% | 23.08% |
【リスク(標準偏差)】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
16.56 | 19.39 | 19.58 | 19.09 |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
1.17 | 1.02 | 1.18 | 0.88 |
【手数料】
買付手数料 | 0 |
信託財産留保額 | 0.3% |
解約手数料 | 0 |
信託報酬 | 1.87% |
世界シェールガス株ファンド
勝率 69%/67%
リターン 30%/32%
5月よりランクイン
コロナ下の2020年途中に最安値をつけてから、一気に上昇しました
コロナ中は原油価格が暴落しましたからね
ここ3ヶ月は価格横ばいです
【世界シェールガス株ファンド】
世界の株式市場の中で、シェールガスの探査・開発・生産その他関連業務を行う企業に投資します
ほとんどがアメリカ、カナダの企業で構成されています
(シェール油田といえばアメリカですしね)
2012年に基準価額1万円で発売開始
7/22現在 2万339円です
【年利回り】
1年 | 3年 | 5年 |
29.35% | 31.88% | 19.41% |
【リスク(標準偏差)】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
16.48 | 24.41 | 28.98 | 25.16 |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
1.78 | 1.31 | 0.67 | 0.32 |
【手数料】
買付手数料 | 0 |
信託財産留保額 | 0.3% |
解約手数料 | 0 |
信託報酬 | 1.826% |
5年リターン
インデックス
NASDAQ総合指数の推移
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
20% | 19% | 18% | 20% | 19% | 22% | 24% | 25% | 25% | 23% | 28% | 28% |
1位 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)
勝率 92%/93%
リターン 48%/49%
5年リターンの1位も「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」
10月からずっと1位
半導体関連銘柄の株価がこのところ強いので、その結果のリターンになってると思われます
リターンの変動
30%→34%→37%→40%→43%→39%→48%→49%
1年リターンの項目に詳細記載
野村クラウド関連株式投信 Bコース(為替ヘッジなし)
勝率 55%/57%
リターン 29%/30%
2020年から一気に伸び続けている投資信託
年1回分配 利回りは高めです
【野村クラウド関連株式投信 Bコース(為替ヘッジなし)】
世界の株式市場の中で、クラウド関連企業に投資します
ほとんどがアメリカの企業 超大手ばかりです
2010年に基準価額1万円で発売開始
7/22現在 5万3257円です
【年利回り】
1年 | 3年 | 5年 |
43.34% | 16.07% | 30.07% |
【リスク(標準偏差)】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
20.14 | 26.18 | 25.09 | 23.63 |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
2.15 | 0.61 | 1.2 | 0.84 |
【手数料】
買付手数料 | 0 |
信託財産留保額 | 0.3% |
解約手数料 | 0 |
信託報酬 | 1.947% |
netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)
勝率 55%/53%
リターン 24%/25%
直近1年間の成績がとても良く
それ以前はほどほど
2014年までは1万円を割れていました
【netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)】
投資先は、長期で成長するハイテク企業
マイクロソフト、Google、Amazon、Appleなど
米国の巨大企業が多くを占めています
1999年11月に1万円から販売開始
2024年5月で3万5千円ほどです
【年利回り】
1年 | 3年 | 5年 |
50.8% | 19.35% | 25.4% |
【リスク(標準偏差)】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
18.19% | 22.74% | 20.84% | 19.92% |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
2.79 | 0.85 | 1.22 | 1.06 |
【手数料】
買付手数料 | 0 |
信託財産留保額 | 0% |
解約手数料 | 0 |
信託報酬 | 1.463% |
10年リターン
1年、3年、5年では、アクティブ投資の方が優秀なモノありましたが
10年からはそれが逆転
インデックス投資がアクティブ投資を上回ります
『インデックス 22% > アクティブ 11%』
インデックス
NASDAQ総合指数の推移
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
20% | 20% | 20% | 19% | 16% | 15% | 19% | 20% | 20% | 21% | 21% | 22% |
1位 日本新興株オープン
勝率 47%
10年リターン 12%/11%
2023年7月〜 1位維持
10年運用でインデックスとアクティブの勝率&リターンが逆転します
日本新興株オープン
現在販売を中止しています
日本のグロース市場とスタンダード市場に上場している
新興企業の株式に投資するアクティブファンドです
1997年3月に基準価額1万円から販売開始した歴史あるファンド
2024年7/24 3万630円
4月以降は横ばいの推移です
2014年までは基準価額1万円割れを起こしていました
【年利回り】
1年 | 3年 | 5年 |
-4.86% | -1.25% | 8.15% |
【リスク(標準偏差)】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
22.33% | 22.98% | 24.61% | 21.12% |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
-0.22 | 0.06 | 0.33 | 0.54 |
【手数料】
買付手数料 | 0 |
信託財産留保額 | 0 |
解約手数料 | 0 |
信託報酬 | 1.672% |
2位 MHAM新興成長株オープン
勝率 28%
リターン 13%
MHAM新興成長株オープン
投資先は、日本の上場株式のうち
高成長が期待できる新興企業
TOPIXよりも上の成績を目指します
販売開始は2000年 基準価額1万円より販売開始
23年間運用されている歴史あるファンドです
販売開始から2013年までは元本割れ
そこから急激に成長しています
2022年以降は横ばいの推移
【年利回り】
1年 | 3年 | 5年 |
-11.19% | -7.2% | 4.27% |
【リスク(標準偏差)】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
20.46% | 21.61% | 23.59% | 21.01% |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
-0.55 | -0.33 | 0.18 | 0.57 |
【手数料】
買付手数料 | 0 |
信託財産留保額 | 0 |
解約手数料 | 0 |
信託報酬 | 1.87% |
長期投資ならインデックスファンド
【結論】
長期の資産運用が目的なら
アクティブファンドを組み込む必要なし
アクティブファンドの成績を見る限り
5年以上の保有ならインデックスが有利
10年以上保有だと、1位のアクティブファンドすらインデックスに負けています
インデックスと同じ値動きを目指すのがインデックスファンド
インデックスファンドの特徴は
- 長期で見ると安定的に成長している
- 短期間での爆益は望めない
- 鉄板のファンドが存在する
インデックスファンドよりも高い成績を目指すのがアクティブファンド
アクティブファンドの特徴は
- 短期間での高収益商品がある
- 長期投資ではインデックスに負ける 向かない
- 安定高収益なファンドがない
- 当たりのファンド探しが難しい
- 信託報酬が高い
【投資期間で比較】
インデックスの一つ
NASDAQ総合指数のリターン推移は
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
45% | 22% | 28% | 22% |
対して
アクティブファンド1位のリターンは
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
103% | 47% | 49% | 11% |
1年などの短期間で、優良なファンドを選び抜くことができるなら
アクティブファンドでの投資は一考の余地があります
短期間では爆発的な利益が出るファンドが存在しますし
信託報酬の高さは短期であれば影響は軽微です
5年以上の投資では、上位3つのファンドのみがインデックスより良い成績でした
数千ある投資信託のうち、勝ったのはたった3銘柄!
アクティブファンドの難しさを教えてくれます
10年以上の投資ならインデックスファンド一択でしょう
勝率&リターン共に高いです
【手数料で比較】
手数料面でも
長期運用はインデックスファンド有利
例えばS&P500のインデックスファンドなら
最安クラスで信託報酬0.1%未満です
(『SBI・V・S&P500』なら信託報酬0.0938%)
一方アクティブファンドの信託報酬は1%以上が基本
1.5%を超えるファンドも多くあります
(『野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)』は信託報酬1.65%)
信託報酬は、保有金額に対して毎年掛かります
運用が長いほど信託報酬は大きな負担になります
表面の年率リターンは同じだとしても、手数料の高いファンドの収益性は低くなります
【ファンド選びで比較】
鉄板商品がないのもアクティブファンドの難しさ
投資信託は5千以上あると言われ、SBI証券に登録の投資信託でも2千以上
そんな多数のファンドの中から
- 世界情勢
- ファンドの質
- 運用先の的確さ
- 運
これらの要素を駆使し
儲かるファンド一本を選び抜かないといけません
「これ買っとけ」的な鉄板ファンドがあるのはインデックスファンドの強み
勧められるインデックスファンドの条件は
- 信託報酬が低い
- 購入時手数料が無い
- 純資産額が大きい
- 優良なインデックスに連動
これらに該当するファンドは限られるため、広く紹介されています
おすすめできる鉄板ファンドのうち、厳選3つ
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
SBI・V・S&P500
楽天・全米株式インデックス・ファンド
インデックスファンドなら、数千の中から調べて選ぶ労力がとっても少なくて済みます
優良なインデックス、そしてインデックスファンドは広く知られています
膨大な時間をかけて検索せずとも、優良なファンドを購入できるんです
【オススメできる投資信託の解説はこちら】
NISAの相談をした際
「つみたて投資枠はインデックス。成長投資枠では少しリスクとリターンをとって、アクティブ投資をしましょう」
とか言われたら『インデックス+αランキング』を思い出してください
NISAは長期投資が基本の税制度、短期売買には向いていません
私は、長期運用に向かないアクティブファンドを組み込む余地はないと考えています
「ちょっとアクティブファンドが気になる」
という方は
過去の『インデックス+αランキング』記事も見比べて
優良アクティブファンドを探す難しさを感じてもらえればと思います
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