日本薬剤師会提供「薬剤師賠償責任保険・サイバー保険」ってどんな保険?必要な人は?
日本薬剤師会の福利厚生の一つ「薬剤師賠償責任保険」
https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/about/panfuh2022.pdfこの保険はどんな保険なのか
どんな人が加入に向いているのか
お話していきましょう
【結論】「薬剤師賠償責任保険」が必要な方・不要な方
必要な方
中小もしくは個人の薬局
基本プランのみ サイバー保険なしがおすすめ
検討しても良い方
賠償保険未加入店舗で勤務の個人
基本プランがおすすめ
薬剤師賠償責任保険はこんな保険
- 掛け捨て1年間の有期保険
- 薬局契約と薬剤師契約の二つに分かれる
- 基本プランと充実プランの二択
- 基本プランは保険金1.5億まで、保険料【薬局】3600円【個人】1950円
- 充実プランは保険金2億円まで、保険料【薬局】4500円【個人】2850円
対象
- 薬剤師であること
- 日本薬剤師会会員であること
- 薬局契約の場合、日薬会員名簿に「開設者」「法人代表者」「管理薬剤師」のいずれかで登録されてること
二つの違い
補償対象と保険金額
補償対象は、調剤や販売の過誤による
1 患者さんへの健康被害への損害賠償
2 財物の破壊
3 業務中の患者さんとの事故
充実プランは
4 見舞金や見舞品の費用
5 事故現場の保存費用
保険金は
1 基本プランは1事故1.5億円、年間4.5億円まで
対人事故は3000万円まで
2 充実プランは1事故2億円、年間6億円まで
対人事故は5千万円まで
年間保険料
2月15日から保険期間は1年間
中途加入も可能で、その場合保険料は下がります
加入プラン | 年間保険料 |
---|---|
【薬局】 | |
基本プラン | 3600円 |
充実プラン | 4500円 |
【薬剤師】 | |
基本プラン | 1950円 |
充実プラン | 2850円 |
サイバー保険はこんな保険
対象
薬局契約のみ
日薬会員名簿に「開設者」「法人代表者」「管理薬剤師」のいずれかで登録されてること
補償対象と保険金額
補償対象は、ネット関係での情報漏えい、デジタルコンテンツの被害等の損害賠償や費用
- サイバー攻撃(不正アクセスやデータ破壊など)
- 情報漏えい
- デジタルコンテンツ不当事由(炎上や著作権侵害など)
- ミスによる事由(システム操作誤り、不具合など)
保険金は
補償内容 | 保険金額1000万円プラン | 保険金額1億円プラン |
---|---|---|
損害賠償や訴訟費用 | 1000万円 | 1億円 |
事故の対応費用 | 3000万円 | 3000万円 |
損害賠償や訴訟費用は、かかった費用の90%が補填されます
年間保険料
1000万円プランは13500円
1億円プランは27000円
まとめ「薬剤師賠償責任保険・サイバー保険」
薬剤師賠償責任保険とサイバー保険は、別の保険です
片方だけ入ることも、両方入ることも可能です
サイバー保険は薬局契約のみとなります
当保険の意義はこの二つのいずれか
薬局契約して管理者を守る
薬剤師契約して、自身を守る
当保険は加入すべきか
大体の薬局や企業では、会社で保険加入していると思います
薬剤師賠償責任保険については
中小や個人薬局は検討して良いと思います
年間の保険料の割に保険金が高額なこと
訴訟は滅多に起こることはありませんが
高額賠償判決出たら中小では潰れてしまう可能性があることが理由です
薬局契約は、既に保険加入済の薬局が入るメリットは無いでしょう
薬剤師契約も同じで、薬局で保険に入っていれば必要ありません
サイバー保険について
加入しなくていいと考えます
薬剤師賠償責任保険に比べ、割高感があります
保険にお金払うより、セキュリティを強化する方が良いと考えます
炎上への対応費用の補填などもありますが、炎上した場合は企業の信用が損なわれます
信用回復は保険では出来ません
社内の広報活動への強化する方がリスクヘッジとなると思われます
基本プランと充実プランどちらを選ぶかですが
基本プランで十分です
いまだ薬局相手にした億単位の損害賠償の話が殆ど無い事
充実プランでも2億までと、基本プランに比べ差が薄い事が理由です
判例は?
令和元年~令和4年にかけては、薬剤師相手の損害賠償判決を見つけることができませんでした
古いものではこちら
損害賠償550万円の判決です
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/145/081145_hanrei.pdf過去の判例を探したい方はこちら
保険の役割を再度考えましょう
毎回お伝えする話となりますが
保険の基礎の考え方なのでお伝えさせてください
保険は、多額の損害賠償を肩代わりしてくれる制度
みんなから集めた保険料を使って、大きな被害を負った人に保険金を渡します
この「みんな」と「大きな被害を負った人」の間に立ってるのが保険会社
保険会社は保険料を集めたり保険金給付をしています
保険会社の運営にはお金がかかる、そのお金は保険料から引いている なので
みんなから集めた保険料 > 支払う保険金の総額
集めた保険料=支払う保険金+保険販売会社の利益と費用
となります
つまり、保険は加入者は「得しない」制度
たまたま多額の保険金を受け取った人が居ても、不幸なギャンブルに当たったようなものです
保険は損をする、一部の人だけが損を回収できることを頭に置いておきましょう
家計の処方箋はアフィリエイトで報酬を得ています
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