薬学生実務実習の『初日』にやっていること5選【指導薬剤師向け】

実習奮闘記

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私が実習初日にやっていること

【初日にやってること】
  1. 実習スケジュールの確認
  2. 法規関係
  3. 学びたい内容、発表内容(あれば)
  4. 他スタッフへの自己紹介
  5. クリニックへの紹介

私は実習の初日を非常に大事にしています

決まり事やお互いのことを、初日に共有・確認しておくことは

  • 実務面
  • コミュニケーション
  • 法律

によるトラブル回避に役に立つと考えます

言わないと伝わらないこともありますし、再度言うことで重要性を理解してもらいやすいと思っています
11週間 長くてあっという間です
実習生にもスタッフにも、できるだけ楽しく気持ちよく学習していってもらいたいですからね

私が初日にやること、話してることをつらつら書いていきます

1 実習スケジュールの確認

実習スケジュールの確認

実習の週間スケジュール(事前に配布済み)と、追加の日程を共有してます

週間スケジュールは、実習開始前に実習生と大学側に提出したもの
大体の流れを再確認します
特に服薬指導を始める予定の週は意識してもらいます(大体1ヶ月くらい)

追加の日程 薬剤師会による合同研修の日時を共有します
他の店舗を見学する日があればその日時を
薬剤師会の合同研修が開催されるので、その日時と場所を伝えます

在宅への同行や学校薬剤師への同行についても伝えておきます
正確な日時は決まっていないので、大体この頃にやるよ と話しておきます 

最後に実習生側の予定を聞きます
基本的には私用での欠席は認められないのですが、冠婚葬祭などやむを得ない予定があるかを確認してます
休む際は振替にするかも相談してます

実習の流れ

【1日の流れ】

毎日のおおまかな流れも話ます

集合の時間
午前 12時まで
お昼休憩 12時から13時
日報の記帳時間 16時から
終わりの時間

この5点は伝えてます

タイミングになったら都度声掛けはするんですが、はじめに伝えておいた方が不安が少ないんじゃ無いかと思ってます

【1か月の流れ】

毎日やることは、実習生が書いた『日報』を指導薬剤師が確認
週1回やることは、実習生が書いた『ふりかえり』を指導薬剤師が確認
月に1回やることは、実習生と指導薬剤師が面談して『到達度評価』を行う

実習生の課題は

  • 『日報』 毎日書きます
  • 『ふりかえり』 週に1回書きます
  • 『到達度評価』 自己評価を4週に1度くらいの間隔で行います

それに対して指導薬剤師が行うのは

  • 『日報の確認』 確認ボタンとコメント入力
  • 『ふりかえりの確認』 確認ボタンとコメント入力
  • 『到達度評価』 4週に1度 実習生と到達度すり合わせと評価

11週の実習が全て終わったら、指導薬剤師は『実習終了時の評価』を入力します

日報は確認ボタンの入力だけでも大丈夫なのですが、コメントを入れておくと喜ばれます
学生はコメントしっかり読んでます 担当教授も目を通しています

ふりかえりは1週間で行ったことのまとめです
担当教授がコメントされるケースが多々あります

到達度評価は、実習生と指導薬剤師間の評価ズレのすり合わせが目的で行われます
先に学生が自己評価を行って
その後に指導薬剤師が評価を行います
面談を行い、2者の評価のズレとこれからの課題を話合います
出来てる出来てない の評価ではなくて、過小・過大評価してる箇所の修正と、間違った知識や手技の修正をするのに活用してます
大体学生は過小評価な感じがします

最終的な評価は『3』を目指すようにしてます

2 法律関係

個人情報保護について

SBOs894「職務上知り得た情報について守秘義務を遵守する

薬剤師に求められる倫理観「知り得た情報の守秘義務と患者等への情報提供の重要性を理解し、適切な取り扱いができる」

引用:改訂モデル・コアカリキュラム

めちゃくちゃ大事 個人情報保護

大学でも話されてますが、薬局でも再度伝えます

処方箋は持ち出さない、コピーも持ち出さないこと
処方せんや薬歴の内容等はSNSにはアップしない、LINE等で知人にも伝えない
服薬指導は他の患者さんに伝わらないようできるだけ配慮する
他の患者さんに見えるところに個人情報を置かない

このあたりの話は必ず伝えます

実習生と薬剤師の違い

回収不能になる調剤業務は、薬剤師監督のもとで行う
(軟膏、散剤、液剤など)

基本的には、非薬剤師と同じ扱いであることを必ず伝えます

自身の裁量でやってよいこと(シート品のピッキング)

薬剤師監督の元 行って良い業務(散、軟膏、液、服薬指導)

一包化は依頼したもののみ対応としています

患者さんとの対応内容についても制限があることを伝えます
服薬指導は薬剤師監督のもと行い、待合で受けた薬や病気に関する質問は必ず持ち帰って指示を受けるように話します

責任の所在を明らかにするための対応でもあります

3 学びたい内容

【ポスター発表】

多くの大学が、実習で学んだことの発表の場を作ります

発表の量は大学によってまちまちで、ポスター発表、A4用紙4枚、10枚の大学もありました

発表するのは次の年の1〜3月が多いようです
指導薬剤師も見学のお誘いを受けます

発表内容は実習生にお任せです

ジェネリック医薬品への意識調査という方もいましたし
実習で学んだことを総合的に発表する方もいました
症例検討を取り入れた方もいましたね

アンケート調査が必要な発表であれば実習期間でないと行うのが難しいです
そういった例も提示し、早めにテーマ決めした方ができることが多い旨を伝えます

発表内容は事前に一度は確認しましょう
個人情報が上がることはほぼありませんが、社外秘の情報が出てしまう可能性はあります
実習が終わってからでも、完成内容は確認しましょう

ちなみに、私の薬局ではやっていませんが、実習先によっては大学のものとは別に発表を課題とする所もあるようです

【興味のあるテーマ】

発表とは別に、あるテーマに興味を持ってくる実習生もいます

ゼミで研究している内容や、自身が興味を持ってる内容を聞き取ります

やっぱり好きな分野の勉強ほど身が入りますから、円滑な実習のためにヒアリングしておきます

なんでも と言う方もいれば
認知症という方もいますし
地域活動、薬局製剤という方もいました
(薬局製剤はうちでは無理でした・・・)

4 他スタッフへの自己紹介

初日に全スタッフ集めて自己紹介の時間を作ります
朝礼や昼礼の時間に行ってます

初日はスタッフにとっては日常でも、学生にとってはすごく緊張しています
少しでも馴染めるよう自己紹介しあいます

私の薬局ではそれプラスでランチ会しています

初週のお昼の1時間、お弁当取って歓迎会を行なっています

『同じ釜の飯を食った仲』という言葉もあります
一緒に食事を摂るのって、仲良くなるのに効果的です
お昼なら実習生の時間もスタッフの時間も潰しませんし、お昼代を会社が出せばみんなニコニコです

5 クリニックへの紹介

クリニックへの実習生紹介は極力行うようにしています

可能であれば医師への面会も打診します(結構断られる)

医師と会って話する機会って、実習生にとってすごく貴重です
どんな方へ疑義紹介を行なっているか知るのも学びかなと思っています

医師にとっても安心材料になると思います

トレーシングレポートや疑義紹介を実習生が行う場合も、顔を合わせておいた方が少しは覚えが良いかなと打算もしてます

今日の話まとめ

  1. 実習スケジュールの確認
    『実習週間のスケジュール確認』『追加(集合研修など)の日程確認』『実習生の予定の確認』をして実習スケジュールへ反映、共有する
  2. 法規関係
    『個人情報保護について』『実習生がやって良いこと・いけないこと』を確認、共有する
  3. 学びたい内容
    『ポスター発表』『興味あるテーマ』のヒアリング
    ポスター発表のテーマ決めはお早めが吉
  4. 他スタッフへの自己紹介
    個別ではなくて時間をとっての紹介推奨
    ランチ会の開催おすすめですよ
  5. クリニックへの紹介
    可能なら

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実習の要点をピックアップ
ある程度の教材は自分で用意する必要があります
正直、こちらがあれば実習問題無く行えると思います
(パーフェクトマニュアルは高いですから)

薬局実務実習指導の手引き

SBO(到達目標)、GIO(一般目標)の解説に重きをおいてます
目標の解説がほとんどで、教えるための教材は入ってません
実習初めて受ける方や、スタッフへの依頼に使うのに向いています
買ってはみたんですが、これは無くても良かったかなという印象

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