銀行の窓口や銀行のホームページ上で、金利が高い預金として紹介される『仕組預金』
一見すると確かに、定期預金や円預金に比べて高金利です
預金と名前がついているので安全性も高そうに見えます
しかし、その裏腹に
『仕組預金』実際には投資性の強い金融商品です
円預金の代わりに〜と利用すると、想定と違ってトラブルになる可能性も
本記事ではファイナンシャルプランナー(FP)の立場から、仕組預金の種類と“買ってはいけない理由”を簡単に解説します
仕組預金とは?特徴とリスク
仕組預金とは
定期預金に金融派生商品(デリバティブ)の要素を組み合わせたものです
定期預金に特殊なおまけが乗っかって、その分利率が高めになっています
(そのおまけが実はメインで複雑なのですが)
銀行にとってはリスクを抑えつつ収益を確保できる設計になっており、その分、利用者が不利になる可能性があります
名前に『預金』とついていますが、仕組預金は投資性を含んだ金融商品です
元本保証・中途解約可能な定期預金と異なり、以下の特徴があります
- 原則、途中解約ができない
- 元本割れのリスクがある
- 高金利は見せかけで、実質利回りが低いケースがある
このような投資性から、仕組預金は金融商品のことをある程度理解している玄人向けです
金利だけでなくリスク面も理解できる方にのみ、検討の余地がある金融商品です
仕組預金の3つの主な種類
金利連動型
- 市場の金利で条件が変わる
- 主流なのは金利によって満期日が変わるタイプ
- ステップアップ型:最初の数年間が低金利、後半で金利が上がる
- フラット型:金利は満期まで一定
- 金利上昇局面を取り逃がす可能性がある
例えば)
- 楽天エクステ預金
市場金利によって満期が変わる
金利下落局面では満期早まり、金利上昇局面では満期が伸びる - 住信SBIネット銀行 プレーオフ
- あおぞら銀行 BANK The エクセレント定期
- auじぶん銀行 プレミアム金利円定期預金
為替連動型
- 満期時の為替相場で条件が変わる
- 満期になった時、一定以上の円高だと外貨で払い戻される
- 満期日が数週間〜数ヶ月と短め
- 外貨で払い戻されると元本割れの可能性がある
例えば)
- 楽天デュアル定期預金
- 住信SBIネット銀行 オセロ
- auじぶん銀行 スイッチ円定期預金
【現在販売なし】株価・指数連動型
- インデックス(日経平均など)に連動
- 元本保証がないものが多い
- 投資に近い性質で、リスクがある
インデックスが一定値を超えた場合、規定の利回りが得られるという金融商品です
一定値を下回った場合には利回りが減額されます
2025年現在では、大手の銀行では販売されていません
過去に販売されていたものとしては
- SBI新生銀行(当時は新生銀行) 日本力
日経平均株価を指数とした仕組預金
仕組預金を買ってはいけない3つの理由
途中解約ができない
定期預金であれば、途中で解約することができます
解約したら利息は受け取れないかもしれませんが、元本そのまま返ってきます
仕組預金は原則として中途解約ができません
突然の大型出費があったとしても、仕組預金は満期まで取り崩すことができないです
生活防衛資金や教育資金の置き場としては不向きです
元本割れリスクがある
仕組預金は、『預金』と付いていますが元本割れリスクがあるものも多数存在します
為替連動型は、為替相場の値動き次第で元本割れをしてしまう可能性があります
仕組預金は、定期預金の代わりというより投資に近い扱いです
結果的に低金利になることがある
高金利が謳われていても、相場次第で結果が変わってしまうものがあります
為替の動き次第で金利が変わるため、期待した利回りが得られない可能性があります
特に金利連動型
元本保証で最初に提示された金利が維持されます
最初は高金利でも、市場の金利が上がった場合、定期預金の方が金利が上になる可能性もあります
それでも満期まで解約できないため、結果的に低金利の預金となってしまうリスクがあります
代替として紹介する商品
リスクを円預金並の低さに抑えて、資産運用を行いたいのであれば、仕組預金以外の金融商品となります
FPの視点から、仕組預金の代替として紹介しているのが
- 個人向け国債
元本保証、途中換金可能、安全性高い、円預金より高金利 - 高金利のネット銀行
ネット銀行の一部には、高金利の定期預金で募集しているところもあります - iDeCo
拠出金が所得控除、つまり節税になります
定期預金の選択肢がある証券会社も多数
まとめ|仕組預金を買ってはいけない理由と代替案
仕組預金は『預金』という名前が付いていますが、実態はリスクを伴う金融商品です
- 原則、途中解約ができない
- 元本割れのリスクがある
- 高金利は見せかけで、実質利回りが低いケースがある
これら特徴から、円預金や定期預金の代わりに利用するのは勧められません
金融機関側が有利な設計になってるものが多いことから、資産形成に活用するのも避けた方が良いと思います
定期預金の代わりにしたり資産を守って増やしていきたいなら、個人向け国債や高金利なネット銀行定期預金、iDeCoの活用を強くおすすめします
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