この記事の要点は以下の3点です。
- 一般預金は「1金融機関につき1人あたり元本1,000万円まで」とその利息が保護される。
- 外貨預金や一部の他人名義口座などは保護の「対象外」となる。
- 1,000万円を超える資産は、銀行の分散や「資産運用(投資信託など)」への回しが有効。
『預金保険制度(ペイオフ)』とは?
私たちが普段、現金をタンスにしまわずに“銀行”に預けるのはなぜでしょうか。
それは、“盗難”や“火災”で現金を失うリスクから、大切な資産を守るため。
あとちょっとした利息がもらえるから、ですよね。
- 現金は誰でも(たとえ盗んだ人でも)使えてしまいますが、キャッシュカードは暗証番号がわからないと使えません。
- 現金だと燃えてしまったら一瞬でなくなりますが、銀行口座なら火事にあっても無事なままです。
『銀行なら絶対に安心』と考えがちですが、これは要注意!
銀行も一企業である以上、破綻(倒産)するリスクを抱えています。
銀行が倒産してしまった際の、私たちの預金を守ってくれる制度、それが『預金保険制度(ペイオフ)』です。
過去に起きた銀行の破綻例
「銀行なんて潰れるわけないよー!」と考えてる方もいるかと思いますが・・・
過去にはいくつも、大型銀行の破綻も起こりました。
- 日本長期信用銀行(1998年破綻):現在は『SBI新生銀行』
- 日本債券信用銀行(1998年破綻):現在は『あおぞら銀行』
- 北海道拓殖銀行(1997年破綻):都市銀行が破綻した歴史的ニュース
- 足利銀行(2003年破綻):一時国有化を経て、現在は『めぶきフィナンシャルグループ』
💡 おすすめ動画
YouTubeの「カカチャンネル」さんの動画
【なぜ都市銀行が破綻した?【しくじり企業】 ~北海道拓殖銀行~】当時の流れが非常にわかりやすく解説されていて面白いのでおすすめです。
都市銀行が潰れるとかなり洒落になりません。
日本全国に住む大勢の人に、壊滅的な影響が出てしまいます。
(明日、貯金が消えてしまった未来を想像してみてください…絶望です)
国内が大混乱になってしまうのを防ぐため、預金保険制度が存在しています。
銀行というより、わたしたちを守る制度なんですね。
預金保険制度の仕組みと『守られるお金・守られないお金』
預金保険制度は、万が一金融機関が破綻した場合に、預金者の保護や信用秩序の維持を目的に作られた制度。
私たちが対象の金融機関に預金をした時点で、自動的にこの保険関係が成立するので、事前の申し込みや手続きは一切不要です。
守られる金融機関
日本国内に本店を置く、以下の金融機関の大多数が対象となります。
- 銀行(都市銀行、地方銀行、ネット銀行など)
- 信用金庫 / 信用組合 / 労働金庫
- 商工組合中央金庫 など
※最新の対象金融機関リストは、預金保険機構の公式サイトをご確認ください。
その他の金融機関の保護制度
- 農協(JA)、漁協(JF)など:独自の「農水産業協同組合貯金保険制度」で保護されます。
- 保険会社:生命保険契約者保護機構(責任準備金の90%まで補填)
- 証券会社:日本投資者保護基金(万が一の顧客資産の流用時、1,000万円まで補償)
守られる資産・守られない資産
すべての預金が1,000万円まで守られるわけではありません。
対象となる商品・ならない商品の違いはこちら。
| 区分 | 対象となる具体的な商品 | 保護される範囲 |
| 全額保護 | 当座預金、無利息型の普通預金(決済用預金) | 全額(上限なし) |
| 一般預金等 | 普通預金(利息あり)、定期預金、財形貯蓄など | 合算して元本1,000万円まで +その利息 |
| 保護対象外 | 外貨預金、譲渡性預金、他人・架空名義の預金、海外支店の口座 | 保護されない(破綻時の財産状況に応じて弁済) |
特に注意したいのが『外貨預金』です。
金利の高さから人気ですが、預金保険制度の対象外となるため、銀行破綻時のリスクは高くなります。
また、同じ銀行に複数の口座(普通預金と定期預金など)を持っていても、すべて合算して1,000万円までとなる点も注意が必要です。
1,000万円を超える資産はどうすべき?3つの対策
では手元の現金資産が1,000万円を超えてる場合、どのように銀行を使うといいでしょうか?
私が提案する選択肢は3つです。
対策①:気にせず同じ銀行に預け続ける
『特に何もしない』という選択です。
現在の日本のメガバンクや大手銀行は、一般企業に比べて極めて強固な財務基盤を持っています。
破綻リスク自体が非常に低いため、管理の手間を考えて『そのままにする』というのも一つの割り切りです。
資産管理の手間を減らしたい方には向いた方法ですが、資産額が高額になるとリスク面からおすすめできません。
対策②:複数の銀行に「分散」する
「どうしても元本を絶対に減らしたくない」という場合は、A銀行に1,000万円、B銀行に1,000万円……と、1口座1,000万円以下になるよう金融機関を分ける方法です。
ただし、資産が増えるほど口座数が増え、管理(ID・パスワードの管理や通帳記帳など)が非常に煩雑になります。
自身が亡くなって相続の際、残された家族の負担が大きくなるデメリットもあります。
対策③:投資(株式・投資信託)に回す
ファイナンシャルプランナーとして、最もおすすめしたいのが『1,000万円を超えた資金は投資に回す』という選択肢です。
投資は元本保証ではありません。
運用次第では値上がりも、値下がりの可能性もあります。
ですが、制度上の資産保護という観点で見ると、実は預金よりも安全な側面があります。
💡 証券会社の『分別管理』と保護制度
証券会社は、法律(金融商品取引法)によって、顧客の資産(株や投資信託、現金)と証券会社自身の資産を完全に分けて管理すること(分別管理)が義務付けられています。
そのため、万が一証券会社が倒産しても、あなたの株や投資信託は全額が無事に戻ってきます(金額無制限)。
さらに、万が一その証券会社が法を破って顧客資産を横領していたような最悪のケースでも、『日本投資者保護基金』が1,000万円まで補償してくれます。
もちろん投資信託や株式には価格変動リスク(値動き)がありますが、長期で運用すればインフレ(物価上昇)による現金の価値低下を防ぎ、資産を増やせる可能性が高まります。
『ただ眠らせているだけの1,000万円超の現金』があるなら、その一部を低コストなインデックスファンド(世界株やS&P500など)での長期運用に回すことを検討してみてはいかがでしょうか。
おわりに
銀行預金は「1金融機関につき1,000万円まで」が国の制度で守られています。
まずはご自身の資産のうち、「いくらが保護対象(円預金)で、いくらが対象外(外貨預金など)になっているか」を把握することから始めてみましょう。
もし1,000万円を超える現金の置き所に悩んだら、ネット銀行の上手な活用や、証券口座でのインデックス投資も視野に入れて、あなたに合った最適な資産配分を見つけてみてくださいね。
あわせて読みたい:【自分に合った預金先は?ネット銀行徹底比較まとめ】
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