【iDeCoの出口戦略】60歳になったらどうする?賢く老齢給付を受け取る方法【前編】

こんにちは!今回は、60歳になるまで育てたiDeCo(イデコ)の資産を、一番おトクに受け取るための『出口戦略』についてお話しします。

iDeCoは『老後資金を作る』のには最強のツールですが、実は『どう受け取るか』によって、手元に残るお金(税金)が大きく変わってくるんです。

少し長くなってしまうので、今回は『前編(Part1)』として、受け取り方の基本と税金の仕組みについて分かりやすく解説します!

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1. iDeCoを受け取るときの超重要注意点!

まず知っておいてほしいことがあります。

iDeCoの受け取り方は、『今の相場の状況』『あなたの資産状況』『将来もらえる年金額』などによって、100人いれば100通りの正解があります。

特に注意したいのが、以下の2点です。

  • 相場が暴落しているときは『待つ』のもアリ
    60歳になった時点で、もし世界的な株価暴落などが起きて資産が減っていたら、すぐに受け取らずに『受け取り年齢を後ろにずらす』ことで相場の回復を待つことができます。(最長75歳まで)
  • 75歳がデッドライン
    iDeCoは60歳から75歳までの間で受け取り始める必要があります。
    もし75歳までに何も手続きをしていないと、自動的に全額が『一時金(一括)』として給付されてしまうので注意しましょう。

【おさらい】受け取りの選択肢4パターン(60歳〜75歳の間)

  • 60歳で『一時金』として一括で受け取る
  • 60歳から『年金』として分割で受け取る
  • 75歳まで運用を引っ張ってから『一時金』で受け取る
  • 60歳〜75歳の間の、好きなタイミングで『一時金』で受け取る

2. まずは復習!iDeCo(イデコ)の4つの特徴

「そもそもiDeCoってどんな制度だっけ?」という方は、まずこちらの記事を参考にしてみてくださいね。

ザックリおさらいすると、iDeCoにはこんな素晴らしい特徴があります。

  1. 掛金がすべて『所得控除』になる(毎年の所得税・住民税が安くなる!)
  2. 運用中の利益は『非課税』(複利の効果で雪だるま式に増えやすい!)
  3. もらうときにも『大きな控除』がある(今回のメインテーマです!)
  4. 原則として60歳まで引き出せない(強制的な貯蓄になる!)

掛金は控除されますが、受取の際は課税されてしまいます。
ですが、税金がかかるとはいえ、受取の際も控除が使えるのがiDeCoの大きなメリットのひとつ。

コツコツ増やしてきた大切な資産だからこそ、最後もしっかりおトクに受け取りたいですよね。

3. iDeCoの受け取り方は3つ!

iDeCoの老齢給付(もらうとき)の選択肢は、大きく分けて次の3つです。

パターン①】 一時金(一括でドカンと受け取る)

【パターン②】 年金(毎月、または定期的に分割で受け取る)

【パターン③】 一時金と年金の併用(一部を一括、残りを分割)

実は、どれを選ぶかによって『使える税金の控除』が異なり、あなたのお仕事や他の収入状況によって、引かれる税金の額が変わってきます。

今回は『一時金』と『年金』のそれぞれの税金の仕組みを見ていきましょう。

4. 【パターン①】一時金で受け取るなら「退職所得控除」

iDeCoを一時金(一括)で受け取ると、そのお金は税金上『退職所得』という扱いになります。

日本の税制は『退職金には優しくしよう』というルールになっていて、『退職所得控除』という特大の非課税枠が使えます。

退職所得の計算シート

税金がかかる対象(退職所得)は、次の計算式で出します。

退職所得 = {退職金(iDeCoの一時金) − 退職所得控除額} ÷ 2

この『退職所得控除額』は、iDeCoに加入していた期間(積立期間)が長いほど大きくなります。

iDeCoの加入年数退職所得控除額の計算式
20年以下40万円 × 加入年数
20年超800万円 + 70万円 × (加入年数 − 20年)
※(参考:国税庁HP「退職所得控除」

実際に税金はいくらかかる?

上記の計算で出た『退職所得金額』に、以下の税率をかけて、控除額を引きます。

退職所得の金額税率控除額
1,000円 〜 194万9,000円5%0円
195万円 〜 329万9,000円10%97,500円
330万円 〜 694万9,000円20%427,500円
695万円 〜 899万9,000円23%636,000円
900万円 〜 1,799万9,000円33%1,536,000円
1,800万円 〜 3,999万9,000円40%2,796,000円
4,000万円 〜45%4,796,000円
※(参考:国税庁HP「退職所得控除」

【シミュレーション】30年加入して2,500万円を一時金で受け取る場合

  • 退職所得控除:800万円 + 70万円 × (30年 − 20年) = 1,500万円(この分は無税!)
  • 退職所得金額:(2,500万円 − 1,500万円) ÷ 2 = 500万円(ここに税金がかかる)
  • 所得税:500万円 × 20% − 42.75万円 = 57.25万円
  • 住民税:500万円 × 10% = 50万円

税金の合計:107.25万円

(2,500万円のうち、約107万円が税金として引かれ、手元には約2,393万円が残ります)

5. 【パターン②】年金で受け取るなら『公的年金等控除』

iDeCoを年金(分割)で受け取る場合、そのお金は『雑所得』の扱いになります。

通常、副業などの『雑所得』は税金面で不利なのですが、iDeCoの年金は国の年金と同じ扱いになるため、『公的年金等控除』というおトクな優遇措置が受けられます。

ただし、『65歳未満』か『65歳以上』かで控除の額が変わるので注意が必要です。

65歳未満の場合(iDeCo+他の公的年金等の合計収入)

年金の収入金額合計雑所得金額の計算式
〜 60万円0円
60万円 〜 130万円年金合計 − 60万円
130万円 〜 410万円年金合計 × 0.75 − 27.5万円
410万円 〜 770万円年金合計 × 0.85 − 68.5万円

65歳以上の場合(iDeCo+他の公的年金等の合計収入)

年金の収入金額合計雑所得金額の計算式
〜 110万円0円
110万円 〜 330万円年金合計 − 110万円
330万円 〜 410万円年金合計 × 0.75 − 27.5万円
410万円 〜 770万円年金合計 × 0.85 − 68.5万円

【シミュレーション】65歳で公的年金等の合計が300万円の場合

ここで具体的な例を考えてみましょう。

たとえば、『厚生年金が200万円、iDeCoが100万円』と仮定してみます。

  • 年金の合計額:300万円
  • 雑所得の計算:300万円 − 110万円 = 190万円

この『190万円』に、もし他の所得(パート代や不動産収入など)があればそれを足し算し、そこから基礎控除などを引いて最終的な所得税・住民税を計算することになります。

まとめ:次回はどっちがトクか比較します!

今回は、iDeCoの受け取り方の基本と、2つの控除(退職所得控除・公的年金等控除)について解説しました。

「じゃあ、結局私はどっちで受け取るのが一番おトクなの?」
「会社の退職金もある場合はどうなるの?」

と思ったあなたへ!

次回の『Part2(後編)』では、一時金と年金、どっちを選ぶべきかの判断基準や、会社からの退職金がある場合の落とし穴について詳しく解説します。

ぜひ合わせてチェックしてくださいね!

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