投資信託の成績表ともいえる『運用報告書』
決算ごとに発行されています
多くのインデックスファンドは年に1回発行です
先日、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の運用報告書が出ました
今回はその運用報告書を読んでいきましょう
問題なく運用できているか
手数料は想定より高くなっていないか
しっかりチェックしていきましょう
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』とは
【eMAXIS Slimシリーズの解説はこちら】
eMAXIS Slimシリーズは
投資信託の超重要項目『手数料』を低く抑えたブランドです
手数料業界最安水準を謳っており
他社が手数料を下げてくると、追従して下げてくれます
一般的な投資信託は、最初に設定した手数料を下げること少ないのですが
eMAXIS Slimシリーズは惜しげもなく下げてくれます
こういった企業姿勢のため、非常に多くの人に選ばれる投資信託となっています
選ばれた結果、純資産額が非常に大きいのも特徴です
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』
世界47カ国の大型・中型企業 約2900社以上の株式インデックス
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
に連動した値動きを目指すインデックスファンド
世界の上場企業時価総額の85%をカバー
名実ともに全世界株式のインデックスファンドです
基準価額の変化
基準価額は投資信託の値段です
多くのファンドでは、販売開始額は『1万口=1万円』
表記される基準価額も1万口当たりの金額です
基準価額は今の値段と思っておけばOKです
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) は
2018年11月に、1万円から販売開始
2024年4月25日の基準価額は 24005円
2024年4月25日の
基準価額 24005円
純資産総額 3兆901億9100万円
ちなみに2022年〜2023年はこんな感じ
2023年4月25日の
基準価額 17562円
純資産総額 1兆169億円6400万円
年間で36%も基準価額が上がるのも凄まじいですが
それよりすごいのは純資産総額の伸び
1年前に比べ3倍以上も増えています
基準価額の上昇だけではなく、大量に購入されたことがわかります
純資産総額は、投資信託の安定性を見るバロメーターの一つ
これが少ない投資信託は解散のリスクが高くなります
3兆を超えた投資信託は、SBI証券の販売する内3本しかありません
そのうちの一つが『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』
投資信託の解散リスクは、かなり小さいと考えられます
市場の環境について
昨年に続き、世界では物価上昇が続いていますが
上昇スピードは徐々に減速してきています
欧州中央銀行は、モリモリあげてきた金利をストップさせ、下げに転じています
アメリカでも物価上昇ペースは下がってきています
とはいえアメリカの雇用状況や物価上昇スピードは未だ顕在
金利上昇は据え置きしていますが、下げに転じてはいません
一般的には
金利が上がると株価が下がり
金利が下がると株価が上がります
【国内株式市況】
国内株式市況は上昇しました
日銀の金融緩和継続姿勢
好調な企業業 績等を背景に国内株式市況は上昇しまし た。【外国株式市況】
外国株式市況は上昇しました
世界的なインフレや金融引き締めへの警 戒等を受けて外国株式市況は下落する局 面もありましたが、主要中銀による政策 金利の据え置きやインフレ率の鈍化を受 けて外国株式市況は上昇しました。
【新興国株式市況】
新興国株式市況は上昇しました
主要国の長期金利の上昇などを受けて新 興国株式市況は下落する場面がみられた ものの、主要中銀による政策金利の据え 置きやインフレ率の鈍化を受けて上昇し て期間を終えました。
【為替市況】
米ドル、ユーロ、香港ドルは円に対して上昇しました
為替市況は、期間の初めに比べて円安・ 米ドル高、円安・ユーロ高、円安・香港 ドル高となりました。
引用 2024年04月25日決算「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)運用報告書」
未だ戦争を続けている国家もありますが
アメリカ、ヨーロッパ、新興国、日本
いずれの体制も大きな変動ありません
ファンド継続しても問題ないと考えられます
【超重要】手数料の結果
投資信託には
持っている間に、資産額に応じて手数料がかかります
投資信託選びにおいては、手数料がとっても大事
どんなに利益が出ていても、手数料が高ければ資産は増えません
手数料には
買う前からわかる手数料と
運用後にわかる手数料があります
今回のファンドでいうと
信託報酬は目論見書に記載されていますが
その他費用は載っていません
昨年途中より、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は
信託報酬を0.05775%に減額しました
昨年からの推移
信託報酬 0.113%→0.076%
売買委託手数料 0.006%→0.006%
有価証券取引税 0.015%→0.019%
その他費用 0.032%→0.030%
信託報酬が下がった分、その他費用が上がるかもと言われていましたが
実際のところはむしろ減少
手数料全てあわせて、0.131%は非常に優秀な部類です
手数料の状況からは、当ファンドを継続しても問題ないと言えます
【重要】インデックスとの連動
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は
『MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス』
と同じ値動きを目指す、インデックスファンドです
運用方針は「同じ値動きを目指す」こと
指数が1%上昇したら
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も1%伸びるのを目標に、運用しています
インデックスファンドの良し悪しは
インデックスと同じ値動きをできているか否か
ベンチマークとファンドの騰落率が近いほど、運用が上手くいっていると言えます
ファンドとベンチマークの差は −0.2%〜+0.2%
ほとんど誤差の範囲と考えます
基準価額の騰落率は、36.7%の上昇となり、ベンチ マークの36.9%の上昇を0.2%下回りました。
引用 2024年04月25日決算「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)運用報告書」
これより
運用は上手にできており、当ファンドを継続しても問題ないと考えます
組入資産
どんな株式を購入しているかが記載されています
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は
下記の3種類のインデックスファンドを購入しています
2024年1月に発行された目論見書のうち
国別構成比率は以下のグラフ
先進国、新興国、日本の比率、アメリカの占める割合は
目論見書と運用報告書の内容に大きく差がないのがわかります
予定通りの投資状況が確認でき、当ファンドを継続しても問題ないと考えます
総評「問題なし!」
【基準価額の推移】
絶好調
(円安の影響も大きい)
【市場の今後】
世界の状況 大きな変化なし
【手数料】
信託報酬減額で手数料減少
その他費用問題無し
【インデックスとの連動】
しっかり連動できている
【組入資産】
表記通りで問題なし
2024年の運用報告書を確認するに
私は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を継続購入しても問題ないと考えます
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