4ヶ月まとめて見ていきます
SBI証券が毎月発行する
「インデックス+αランキング」
インデックスファンドに勝ったアクティブファンドを紹介する記事です
稼げるアクティブファンドを紹介するのが当記事の本質ですが
アクティブ投資の難しさと
インデックスの長所を見ることのできる記事にもなっています
当記事の順位は、対インデックスとの勝率です
毎月のリターンとインデックスを比べて
アクティブの方がリターンが大きいと勝ちとなります
「1年間」なら1〜12月の計12回
12回勝利なら勝率100%です
今回はこの「インデックス+αランキング」を読んで
アクティブファンドとの向き合い方
インデックスファンドがオススメな理由をお伝えします
比較に使われている主なインデックスは
- NASDAQ総合指数
- S&P500
- MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)
- TOPIX
NASDAQ総合指数
【リターン】
年間の利益率です
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
---|---|---|---|---|
2024/7 | 31% | 19% | 26% | 21% |
2024/8 | 28% | 17% | 26% | 20% |
2024/9 | 33% | 18% | 26% | 19% |
2024/10 | 43% | 17% | 26% | 19% |
【リスク】
リスクは「振れ幅」です
数値が高いほど、儲けも損も大きくなります
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
14.5% | 21.4% | 21.3% | 18.2% |
【シャープレシオ】
効率の良い投資かを測る指標です
リスクあたりのリターンで計算されます
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
2.8 | 0.2 | 0.8 | 0.8 |
NASDAQはアメリカの市場
ハイテク系やIT系など新興企業が多く所属する市場です
NASDAQ上場企業の株価平均がNASDAQ総合指数
アメリカの株式インデックスの中では
比較的リスクとリターンが高いです
S&P500
【リターン】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
---|---|---|---|---|
2024/7 | 29% | 22% | 23% | 18% |
2024/8 | 28% | 20% | 24% | 17% |
2024/9 | 31% | 22% | 23% | 16% |
2024/10 | 39% | 20% | 23% | 16% |
【リスク】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
11.4% | 17.2% | 18% | 15.2% |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
3.2 | 0.5 | 0.8 | 0.8 |
アメリカの大企業500社の平均をとったインデックス
Google、Apple、Amazon、P&Gなど、世界的大企業がぎっしり入ったインデックスとなっています
NASDAQ総合指数より、リスク・リターンともに抑えめですが
非常に優秀なインデックスです
MSCI ACWI
【リターン】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
---|---|---|---|---|
2024/7 | 25% | 18% | 19% | 14% |
2024/8 | 25% | 17 | 20% | 13% |
2024/9 | 27% | 18% | 19% | 13% |
2024/10 | 34% | 17% | 20% | 13% |
【リスク】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
11.3% | 16.4% | 17.4% | 14.8% |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
3 | 0.4 | 0.7 | 0.6 |
全世界型のインデックスで、多数の企業と国家への分散が特徴です
投資対象国約70カ国、採用銘柄は約2900社
リターンは控えめではありますが、他に比べリスクが少ないです
1年リターン
インデックス
NASDAQ総合指数の推移
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
48% | 56% | 54% | 49% | 45% | 47% | 31% | 28% | 33% | 43% |
1位(7月〜10月)野村 世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)
【野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)】
世界各国の半導体関連企業の株式を投資対象にするアクティブファンド
組入銘柄の上位10%には、多くの人が知る巨大企業がずらり
投資比率は上位5社だけで60%
アメリカだけで77%を占めています
2009年8月に基準価額1万円で販売開始
2024年6月に最高値194996円をつけてから
下げー上げを繰り返し
2024年11月29日で152521円です
分配金は1年に1回
2024年は9000円を分配しています
現在の分配金利回りは5.9%です
(手数料は考慮されていません)
組入銘柄の上位10位はこちら
【年利回り】
1年 | 3年 | 5年 |
97.81% | 39.86% | 42.75% |
【リスク(標準偏差)】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
31.5 | 34.73 | 29.14 | 26.58 |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
3.1 | 1.15 | 1.47 | 1.08 |
【手数料】
買付手数料 | 0 |
信託財産留保額 | 0.3% |
解約手数料 | 0 |
信託報酬 | 1.65% |
【感想】
インデックスの成績が伸びてきているのと対照的に
当ファンドは基準価額が落ち込んできています
トータルリターンとシャープレシオは減少
リスクは上昇しています
2023年以前に購入した方は儲かっていますが
2024年に購入した方の多くは利益出ていないと思われます
完全なハイリスク、ハイリターン型の投資信託です
手数料は、アクティブファンドの中では普通くらい
チャート見る限り、今はちょっと買いづらい値動きですね
3年リターン
インデックス
S&P500の推移
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
24% | 25% | 24% | 22% | 23% | 24% | 22% | 20% | 22% | 20% |
1位 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)
2023年10月から、1位を維持しています
詳細は割愛
インド関連ファンド
徐々にインド関連のファンドが入るようになってきました
インドは人口成長中、成長著しく今後も期待されている国の一つです
【HSBC インド・インフラ株式オープン】
インド国内のインフラ(道路や鉄道、電力や通信など)関連企業に投資するファンド
インド国外の企業でも、収益の多くがインドであれば投資対象となります
世の中の情勢等から利益の出そうな分野を選んで
その分野の企業を分析、経営陣と面談もして選ぶというスタンスだそうです
手数料は
・購入時手数料 3.85%
・信託財産留保額 0.5%
・信託報酬 2.09%
結構お高めです
2020年から右肩上がり、今はちょっと横ばいです
シャープレシオは
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
2.92 | 1.73 | 1.08 | 0.48 |
まさに、直近3年間が優秀な数値
【イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド】
インドの金融商品取引所に上場されている
インフラ(運輸、エネルギー、電力、通信、道路など)関連株式へ投資します
長期的な成長できる企業、高収入・高成長が続く企業を選びます
時価総額や成長性などから企業を選び、実際に訪問などを行って選定するようです
手数料は
・購入時手数料 3.3%
・信託財産留保額 0.3%
・信託報酬 1.9497%
同じく、かなりお高め
チャートは似たような動き
現在、インドが成長しまくってるのが窺えますね
(上位10社のうち、4社は同じ投資先なのでそらそうか・・)
【イーストスプリング・インド消費関連ファンド】
インドの金融商品取引所に上場されている
消費関連株式(流通、小売、サービス業など)関連株式へ投資します
長期的な成長できる企業、高収入・高成長が続く企業を選びます
時価総額や成長性などから企業を選び、実際に訪問などを行って選定するようです
手数料は
・購入時手数料 3.3%
・信託財産留保額 0.3%
・信託報酬 1.9497%
上のファンドと同じ設定です
最近、インド関連の将来性について聞かれたことがあるのですが
儲かるかなんてわかりません!
成長する余力は十分あると思いますが、社会体系などが違うため
思わぬことが起こる可能性もあります
中国のように、一気に伸びて足踏みするということもあり得ます
成長に賭けるのは自由ですが、投資は自己責任で
5年リターン
インデックス
NASDAQ総合指数の推移
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
24% | 25% | 25% | 23% | 28% | 28% | 26% | 26% | 26% | 26% |
1位 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)
5年リターンの1位も「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」
2023年10月からずっと1位です
1年リターンの項目に詳細記載
東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
ちょっと面白いコンセプトのファンドだったので紹介
日本の上場企業のうち
経営者が主要株主である企業に投資するファンド
これに該当する企業は1000社あるそうですが
そのうちから、財務状況や株の流動性で選別
さらに経営者と直接面談し、投資先に相応しいか検討するようです
上位10銘柄はこれ
手数料は
・購入時手数料 3.3%
・信託報酬 1.584%
やや高い くらいでしょうか
10年リターン
1年、3年、5年では、アクティブ投資の方が優秀なモノありましたが
10年からはそれが逆転
インデックス投資がアクティブ投資を上回ります
『インデックス 19% > アクティブ 10%』
インデックス
NASDAQ総合指数の推移
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
19% | 20% | 20% | 21% | 21% | 22% | 21% | 20% | 19% | 19% |
1位 日本新興株オープン
2023年7月から、1位を維持しています
日本新興株オープン
現在販売を中止しています
日本のグロース市場とスタンダード市場に上場している
新興企業の株式に投資するアクティブファンドです
1997年3月に基準価額1万円から販売開始した歴史あるファンド
2024年11/29 3万435円
4月以降は横ばいの推移です
2014年までは基準価額1万円割れを起こしていました
【年利回り】
1年 | 3年 | 5年 |
2.65% | -4.6% | 6.96% |
【リスク(標準偏差)】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
21.58% | 22.72% | 24.46% | 21.17% |
【シャープレシオ】
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
0.12 | -0.20 | 0.28 | 0.49 |
【手数料】
買付手数料 | 0 |
信託財産留保額 | 0 |
解約手数料 | 0 |
信託報酬 | 1.672% |
10年目からはインデックスの方が成績良くなります
一年以上、このファンドが1位を維持していますが
インデックスファンドを上回る成績が出せていません
長期運用に組入づらい理由がここにあります
長期投資ならインデックスファンド
【結論】
10年以上の長期で資産運用するなら
アクティブファンドを組み込む必要なし
アクティブファンドの成績を見る限り
5年以上の保有ならインデックスが有利
10年以上保有だと、1位のアクティブファンドすらインデックスに負けてしまいます
インデックスと同じ値動きを目指すのがインデックスファンドです
インデックスファンドの特徴は
- 長期で見ると安定的に成長している
- 短期間での爆益は望めない
- 鉄板のファンドが存在する
インデックスファンドよりも高い成績を目指すのがアクティブファンドです
アクティブファンドの特徴は
- 短期間での高収益商品がある
- 長期投資ではインデックスに負ける 向かない
- 安定高収益なファンドがない
- 当たりのファンド探しが難しい
- 信託報酬が高い
インデックスファンドとアクティブファンドを
・投資期間
・手数料
・ファンド選び
の観点から比べてみましょう
【投資期間で比較】
インデックスの一つ
NASDAQ総合指数のリターン推移は
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
43% | 17% | 26% | 19% |
対して
アクティブファンド1位のリターンは
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
98% | 40% | 43% | 10% |
1年などの短期間で、優良なファンドを選び抜くことができるなら
アクティブファンドでの投資は一考の余地があります
短期間では爆発的な利益が出るファンドが存在しますし
信託報酬の高さは短期であれば影響は軽微です
5年の投資では、アクティブファンド中の上位2ファンドのみがインデックスより良い成績でした
数千ある投資信託のうち、勝ったのはたった2銘柄です!
アクティブファンド選びの難しさを教えてくれていますね
10年以上の投資ならインデックスファンド一択でしょう
勝率&リターン共に高いです
【手数料で比較】
手数料はインデックスファンドが有利
例えばS&P500のインデックスファンドなら
最安クラスで信託報酬0.1%未満です
(『SBI・V・S&P500』なら信託報酬0.0938%)
一方アクティブファンドの信託報酬は1%以上が基本
1.5%を超えるファンドも多くあります
(『野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)』は信託報酬1.65%)
信託報酬は、保有金額に対して毎年掛かります
運用が長いほど信託報酬は大きな負担になります
表面の年率リターンは同じだとしても、手数料の高いファンドの収益性は低くなります
【ファンド選びで比較】
鉄板商品がないのもアクティブファンドの難しさ
投資信託は5千以上あると言われ、SBI証券に登録の投資信託でも2千以上
そんな多数のファンドの中から
- 世界情勢
- ファンドの質
- 運用先の的確さ
- 運
これらの要素を駆使し
儲かるファンド一本を選び抜かないといけません
「これ買っとけ」的な鉄板ファンドがあるのはインデックスファンドの強み
勧められるインデックスファンドの条件は
- 信託報酬が低い
- 購入時手数料が無い
- 純資産額が大きい
- 優良なインデックスに連動
これらに該当するファンドは限られるため、広く紹介されています
おすすめできる鉄板ファンドのうち、厳選3つ
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
SBI・V・S&P500
楽天・全米株式インデックス・ファンド
インデックスファンドなら、数千の中から調べて選ぶ労力がとっても少なくて済みます
優良なインデックス、そしてインデックスファンドは広く知られています
膨大な時間をかけて検索せずとも、優良なファンドを購入できるんです
【オススメできる投資信託の解説はこちら】
NISAの相談をした際
「つみたて投資枠はインデックス。成長投資枠では少しリスクとリターンをとって、アクティブ投資をしましょう」
とか言われたら『インデックス+αランキング』を思い出してください
NISAは長期投資が基本の税制度、短期売買には向いていません
私は、長期運用に向かないアクティブファンドを組み込む余地はないと考えています
「ちょっとアクティブファンドが気になる」
という方は
過去の『インデックス+αランキング』記事も見比べて
優良アクティブファンドを探す難しさを感じてもらえればと思います
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