60歳になったら?<iDeCo>の賢い老齢給付受け取りについて
長くなってしまったので、2回に分けます
- 相場の状況、資産状況、年金受給額によって個人差があります
- iDeCo資産が暴落している場合、受け取り年齢を上げた方が良い事もあります
- iDeCoは75歳まで給付選択をしていないと、全額が一時金として給付されます
まず復習!【iDeCo】について
【 iDeCoの特徴 】
① 拠出した金額分が所得から控除
→所得税・住民税が減る
② 運用益が非課税
→複利が効きやすく、資産が増えやすい
③ 給付時にも控除
→退職所得控除or公的年金等控除
④給付は原則60歳以降
→途中解約は原則できません
iDeCoの老齢給付
老後資金のために運用するiDeCoですが、60歳以降で給付を考える必要があります
60歳〜75歳の間で給付どの様にするか選ばなければなりません
せっかく非課税で膨らませたiDeCoです
お得に受け取りたいですよね
iDeCoの受け取り方法は
「一時金」「年金」「一時金と年金」の3択
それぞれ控除が違っており、仕事や収入によって税金額が変わってきます
一時金は【退職所得控除】
一時金の税金は【退職所得】として計算されます
退職所得の計算方法
退職所得 ={退職金(iDeCoの一時金)ー退職所得控除額}÷ 2
勤続年数 (もしくはiDeCo加入者年数) | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万×勤続年数 |
20年超 | 800万+70万×(勤続年数−20年) |
退職金の税金
退職所得の税額 =(退職所得 × 税率)− 控除額
退職所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
千円〜194万9千円 | 5% | |
195万〜329万9千円 | 10% | 97500円 |
330万〜694万9千円 | 20% | 427500円 |
695万〜899万9千円 | 23% | 63万6千円 |
900万〜1799万9千円 | 33% | 153万6千円 |
1800万〜3999万9千円 | 40% | 279万6千円 |
4000万〜 | 45% | 479万6千円 |
例えば)
30年iDeCo加入、2500万円を一時金で受け取る
退職所得控除 = 800万+70万(30年-20年) = 1500万
退職所得金額 =(2500万-1500万)÷2 = 500万
所得税 = 500万×20%(0.2)- 42.75万 = 57.25万
住民税 =(2500万-1500万)÷ 2 ×10%(0.1) = 50万
退職金の税金額は107.25万円
年金は【公的年金等控除】
年金は【雑所得】の扱いになります
通常の雑所得は、税制面でかなり不利な所得です
一方、公的年金等は控除によってかなり優遇されています
65歳未満
公的年金等の収入金額合計 | 雑所得金額の計算式 |
---|---|
〜60万 | 0円 |
60万〜130万 | 年金等合計−60万 |
130万〜410万 | 年金等合計×0.75−27.5万 |
410〜770万 | 年金等合計×0.85−68.5万 |
65歳以上
公的年金等の収入金額合計 | 雑所得金額の計算式 |
---|---|
〜110万 | 0円 |
110万〜330万 | 年金等合計−110万 |
330万〜410万 | 年金等合計×0.75−27.5万 |
410万〜770万 | 年金等合計×0.85−68.5万 |
例えば)
65歳 公的年金額350万円
雑所得=350万×0.75−27.5万=235万円
雑所得235万円に他の所得を足した金額から、所得税と住民税を計算します
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