日本の健康保険制度を簡単に
社保か国民健康保険(国保)への加入は義務です
いずれかに加入する必要があります
社保と国保では給付に関して少し違いがあり、社保の方が国保より給付が手厚くなっています
社保の中でも、協会けんぽと組合管掌健康保険は保険内容が大きく異なります
一般に組合管掌健康保険の方が手厚いです
保険内容で言えば 国保 < 協会けんぽ < 組合管掌健康保険
協会けんぽの「対象者」
社保の対象者は「被保険者」と「被扶養者」
どちらも保険を受けられますが、保険料は被保険者のみが支払います
被保険者
- 正社員
- 労働時間が正社員の3/4以上
- 従業員501人以上の企業の下記すべて満たす者
労働時間20時間/週、収入8.8万円/月、1年以上勤務、学生でない
被扶養者
認定基準は下記のいずれか該当
- 同居 [ 年収130万未満かつ被保険者の年収の1/2、60歳以上または一定の障害者180万未満 ]
- 別居 [ 年収130万未満かつ仕送りより収入少ない60歳以上または一定の障害者180万未満 ]
- 同居問わない [ 配偶者、子、孫、兄弟姉妹、直系尊属 ]
- 同居必須 [3親等以内の親族、内縁配偶者の父母と子 ]
協会けんぽの「保険料」
保険料=標準報酬月額・標準賞与額 × 都道府県単位保険料率
標準報酬月額・標準賞与額って?
標準報酬月額は、4月~6月の計3ヶ月の給与平均から算出されます
この期間の給与が大きいと保険料も増える仕組みです
4~6月は少ないが、その後昇給等で著しい変化があると保険者が認めた場合
標準報酬月額計算の月がずれ込むことがあります(10~12月など)
標準賞与額は賞与額がほぼそのまま活用されます
算出した給与・賞与を基に、各年度都道府県別の保険料額表から算出します
毎年改定、県によって違うため都度確認が必要です
協会けんぽの「給付」
療養給付
怪我、病気になった時に医療費の一部を負担してくれる制度
窓口では既に負担割合分にして計算してくれるため
支払額は基本1割~3割になる
負担割合で窓口支払するためには
・健康保険に加入していること
・健康保険証を提示すること
・医療保険対象の内容であること
が必要です
保険証発行中などで療養給付が受けられない人へは「療養費」という制度もあります
被保険者が全額を支払い、けんぽへ申請することで一部払い戻しを受けることができます
高額療養費
同一月の医療費自己負担額が高額になった時、一定額を超えた分が払い戻される制度
医療機関は複数でも合算、世帯の医療費も合算できます
一定額は収入によって変わります(初月は35400円~)
高額療養費を利用するためには、申請書類の提出が必要です
高額医療費になることがあらかじめわかってる場合は
事前申請をして「限度額適用認定証」を取得しておくのをお勧めします
この認定証があれば、一時的な限度額以上の支払いを回避することができます
被保険者の所得区分 | 自己負担限度額 | 多数該当 |
---|---|---|
標準報酬月額83万円以上 報酬月額81万円以上 | 252600+(総医療費-842000)×0.01 円 | 140100円 |
標準報酬月額53~79万円 報酬月額51.5~81万円 | 167400+(総医療費-558000)×0.01 円 | 93000円 |
標準報酬月額28~50万円 報酬月額27~51.5万円 | 80100+(総医療費-267000)×0.01 円 | 44400円 |
標準報酬月額26万円以下 報酬月額27万円以下 | 57600円 | 44400円 |
住民税非課税等低所得者 | 35400円 | 24600円 |
被保険者の所得区分 | 自己負担限度額 | [世帯外来・入院] | 多数該当 |
---|---|---|---|
①標準報酬月額83万円以上で負担割3割 | 252600+(総医療費-842000)×0.01 円 | 140100円 | |
②標準報酬月額53~79万円で負担割3割 | 167400+(総医療費-558000)×0.01 円 | 93000円 | |
③標準報酬月額28~50万円負担割3割 | 80100+(総医療費-267000)×0.01 円 | 44400円 | |
④住民税非課税 | [個人外来]8000円 | 24600円 | 44400円 |
⑤所得0円 | [個人外来]8000円 | 15000円 | 24600円 |
①~⑤以外 | [個人外来]18000円 (年間14.4万) | 57600円 | 44400円 |
高額療養費の申請書はこちら↓
高額介護合算療養費
1年間の 「医療保険 + 介護保険」 の自己負担額が一定額を超えたら払戻してくれる制度です
- 8月~7月までの1年間
- 医療保険、もしくは介護保険のいずれか負担額が0円だと使えない
- 医療機関別、科別、入院・通院別に計算し、21000円以上で合算対象
- 越えた金額が501円以上の時に払戻
- 限度額は高額療養費制度と同じ
高額介護合算療養費の申請書はこちら↓
傷病手当金
業務外による原因によって病気や怪我で休業、報酬が支払われないときに支給されます
連続3日休んだら4日目以降の日数分支給され(これがとてもややこしい)
最長1年6か月支給されます
利用するには申請が必要です
出産育児一時金
出産後に申請すると、1児につき42万円(産科医療補償制度に加入してない医療機関等で出産の場合40.8万円)が支給される制度です
双子・三つ子の場合は2人分・3人分支給されます
申請についてや書類はこちら↓
出産手当金
出産前後で休職し給与支払いが無かった時に受けられる給付金です
出産日42日前~出産後56日目まで支給されます
出産日が予定日より遅れた場合は、遅れた日数分も支給されます
1日当たり支給額は
{ 支給日以前の12ヶ月の各月標準報酬月額の平均額 } ÷45
年収500万円 うち賞与120万円の場合→月収は30万円
標準報酬月額は22等級で30万円
30万円÷45≒6667円
出産手当金は 1日6667円 支給されます
国民健康保険との違い
協会けんぽの方が様々な点から手厚い保険となってます
【国民健康保険についての解説はこちら】
民間保険は公的保険の<+アルファ>
民間保険に加入する理由は大きく分けて二つ
- 安心のため
- 不足分の保障を補う
1 安心のために加入する
不確実な未来をより安心するために、保険を活用するという方法があります
不安材料としては
・何もないと不安だから
・病気になったらお金が足りなくなりそうだから
・年金がもらえなくなると困るから
もしものトラブルの際に保険入っていればお金が下りてきます
ガン保険に入っておけば、がんになった際にお金を手にすることができるでしょう
しかしながらこの安心を買うという方法は、際限がありません
世の中には様々な不確実があって、病気や怪我、資産の減少、養育費や介護費、物価上昇などなど
一つ一つ保険で解決していくとお金がどんどんかかります
不安を保険で解決しようとすると、高くついてしまいます
2 不足分を補う
保険の本質は
トラブルに遭った時に、不足するお金の補填
例えば、事故で働けなくなったとします
生活費は20万円
労災・障害年金などで毎月15万円手に入るとすると
月5万円の赤字です
この赤字を補う方法は二つ
1 あらかじめ貯金しておく
2 毎月5万円手に入る民間保険に加入する
20代や30代で老後分までの貯金を作るのは困難です
貯金での対応が難しい場合に民間保険を活用します
公的保険や年金保険をベースとして考え、不足分を民間保険で補うのが
金銭的に効率の良い方法です
生命保険についても考えは同じで
遺族の生活費-遺族年金等=生命保険額
いくら不足するのかを計算し、それにあった生命保険を活用しましょう
細かな計算をせず、安心のために保険加入すると非常に高くつきます
娯楽や贅沢として保険を利用する方以外は
必要額を算出してから保険加入の検討をしましょう
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